March 13, 2018
暖かい日差しに少しずつ春の訪れを感じます。この頃は、キヌサヤやスナップエンドウなど、さまざまな豆さんが店頭に並び、その鮮やかなグリーンが目にまぶしく、心浮き立つ思いがします。エンドウ豆を見つけると、もう豆さんご飯の季節やなぁ、とうれしくなります。
小学校低学年の頃です。わたしには年の離れた兄がおり、大学生になった兄が、京都に下宿することになりました。大屋さんにご挨拶に行くという母は、長い時間家を空けるのが気がかりだったようで、わたしも一緒に連れて行ってくれることになりました。
わたしの家から京都までは電車を乗り継ぎ乗り継ぎ、2時間以上かかりました。見知らぬ駅や初めて乗る『特急』電車に大興奮でしたが、そのうちに元気がなくなっていき…長時間の電車移動で、わたしはすっかり乗り物酔いをしてしまったようです。そんなわたしを、母はなんとか元気づけようと、「ほら、鴨川やで。シラサギがいてるで。」と声をかけるのですが、それに応えることもできず、ただ早く京都に着...
March 2, 2018
3月1日発売のMOOK『食べログBOOKS 鮨』の「鮨の文化史と郷土ずし」のページで、おすしのイラスト6点担当させていただきました。
おすしの歴史を交えて、全国各地に受け継がれる郷土ずしについて、日比野光敏さんが解説されています。
わたくしは、おすしのルーツともいうべき「ふなずし」や「なれずし」から、日頃から慣れ親しんでいる「巻きずし」や「稲荷ずし」など描かせていただきました。イラストを描く際、そのおすしの作り方を連想するような葉っぱを添えたり、お鮨がより引き立つような器を工夫したりしました。
美味しそうなお鮨屋さんがいっぱい紹介されています。キラキラ、つやつやした、きれいなお写真を見ていたら、今すぐおすしが食べたくなりました。
書店、コンビニでお見かけの際は、ぜひお手にとってご覧下さいませ。
【 詳細情報 】
「食べログBOOKS 鮨」
■発売日:2018年3月1日
■出版社:セブン&アイ出版
■文:日比野光敏さん
■イラスト:naggy
...
January 21, 2018
先日、仕事のスケジュールの都合がちょうど一段落ついたので、落語を聞きにいってきました。
阪神、御影駅すぐの御影市場 旨水館(しすいかん)さんが、定期的に開催されている『沢の井寄席』という
落語会です。とても身近に落語を聞くことができ、ライブ感があって、初笑い、多いに楽しみました。
今回は、新作の落語のネタおろしの機会にも恵まれ、新年早々幸先のいいスタートをきれました。
落語の中には、色々な食べ物が登場しますが、今回はお豆腐が印象深く登場する一席があり、
とても心に残りました。
江戸時代の初期は、豆腐は贅沢品とされていたそうですが、中期頃には普及して、庶民の食卓のお供として
大人気となり、『豆腐百珍』という料理本が流行したそうです。その頃の豆腐は、もめん豆腐がほとんどで、
一丁の大きさは現在の4倍ほどもあったそう。独身者の多い江戸の町では、1/4切れから売っていたそうです。
食卓と言っても、現在のようなテーブルではなく、お膳で食事をしていました。食器は、...
March 28, 2017
春は別れの季節とも言いますが…
先日用事で実家に帰った際、寂しいニュースを聞きました。
子供の頃から慣れ親しんだ近所のお寿司屋さんが、この春でお店を畳まれるとのこと。
わたしが小さい頃は、寄り合いや法事などで大人用にお料理を注文する時に、
子供用として巻き寿司やお稲荷さん、伊達巻きのお寿司などを桶に入れてもらい、
小さい子たちで分けていました。
中学生ぐらいになった頃、「コレは、あんたの分やで」と母に言われて、
蓋付の四角い桶を一つ渡されました。それは大人用に注文した、ちらし寿司でした。
一人前を残さず食べられるようになったからなのですが、大人の仲間入りができたようで、
嬉しかったのを覚えています。
マグロやエビやイカなど、きれいなお刺身が沢山載っていて、ごはんの上には桜デンブと
刻み海苔と錦糸卵、彩りにパセリと缶詰のサクランボが添えられていて。
カラフルなお寿司を眺めながら、どこから食べ始めようかと迷いました。
これからは、もうあのちらし寿司食べられへんね...
July 29, 2016
私は鰻が大好物で、蒲焼きを一匹買うと、太いところを鰻丼に、細い部分はう巻きにしたり
しています。
誰かに教わったのか、何かで読んだのかは忘れてしまったのですが、
鰻の頭からはおいしいお出汁が出ると知り、それ以来、鰻の頭としっぽの固い部分を
大阪しろななどの青菜とお揚げさんと一緒に、さっと炊いたりしています。
今ではあまり聞きませんが、鰻の頭のことを「半助」と呼んだそうで、
鰻の蒲焼きを扱うお店では、何匹分もの頭を袋入りにして、手頃なお値段で売っていたとか。
この半助からお出汁をとって、お豆腐とネギなどと炊いた『半助豆腐』は、
大阪の郷土料理として、庶民に親しまれていたそうです。
私も機会があれば、一度作ってみたいと思っている料理です。
February 23, 2016
寒い日に、ふと思い出す懐かしい料理があります。
小田巻蒸しです。
来客の有無やお祝い事などに関わらず、一年を通して、母はよく茶碗蒸しを作りました。
材料を揃えて蒸す準備をして…と思うと手間なように感じますが、母曰く
「小そぉ切って、あとは蒸したら仕舞やから簡単」だそうです。
彩りもきれいでちょっと豪華な感じがする上に、具沢山だと栄養満点で…という、育ち盛りの子供がいると、
最適な料理だったようです。
私は中学生くらいの頃、食欲旺盛で本当によく食べました。
ある日、学校から帰ると、いつものように母が茶碗蒸しを作っていました。
が、いつもの器と違って、小振りな丼に。なぜかなぁ…と思って食べ始め、びっくりしました。
なんと、うどんが中に入っていたのです。
「おだまき(小田巻)って言うんやで」と、母が教えてくれました。
もともと茶碗蒸しが好きだった私は、ボリューム満点のこのうどん入り茶碗蒸しが大のお気に入りに。
それ以降、よく作ってくれました。
何かのきっかけで、小田巻蒸しは、昔は大...
February 22, 2016
今の学生さんも、夜食に食べるのでしょうか…
鍋焼きうどんです。
父は凝り性なところがあり、今はそうでもないですが、以前は食べ物でも「コレだ!」と思うと
毎日食べ続けるところがありました。
鍋焼きうどんが好物で、若い頃、勤め先の近所のうどん屋さんから、1年半ほど毎日出前を取り続けていたとか。
いくら好きでもなぁと思って訳を聞いてみると…
その当時、私の兄たちがまだ小さく、病気がちの祖母も家にいたため、母は育児に家事に介護に加え、
寺の法務の手伝いと多忙を極めていたそうです。
そんな母を思って、弁当箱に白いご飯だけ詰めて職場に持って行き、足りない分は、
鍋焼きうどんの出前をとっていたそうです。
「具ぅが多いからおかずになるし、おつゆにもなるやろ」という父。
ちょっといいなと思いました。
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